査読レポート: divは完全情報か?(クロメル著)
2015-06-09 訂正、その他
電荷からでる電場は等方的であると言う前提
*点電荷から、がよいのでは?
2015-06-07 22:45 追記、一応の結論?
レポートの訂正と、一応の結論です。
kuhcrow >
ところで、式 (15)と(16) の E は明らかに異なるベクトル場ですが、
どちらも ${\rm rot} {\mathbf E} = 0$ ですよね。
異なる $\bf E$ が同じ ${\rm div} {\bf E}$ になるのは、
上の 「v(r) が十分遠く (r → ∞) で消えている」が成り立たないせいでしょうか?
本質的でないので、電荷分布 $f(x)$ はX軸上に一様無限に線密度 $\sigma$ で分布しているとします。すなわち
$$\rho(x,y,z) = \sigma \delta(y) \delta(z)$$
また面倒なので以下では $\varepsilon_0 = 1$ とします。
すると通常の解は簡単に求まって(といいながら、間違ってるかも)、
$${\bf E}(x,y,x) = \frac{\sigma} {2 \pi \sqrt{y^2 + z^2}}
(0, y, z)
$$
一方 $F_y = F_z = 0$ となるような解は ${F_x}(x,y,x) = \sigma \delta(y) \delta(z)$ より
$${\bf F}(x,y,x) = (\sigma x \delta(y) \delta(z), 0, 0)$$
しかし $\bf{F}$ の rotation は 0 ではなさそうです。
$${\rm rot} {\bf F} = (0, -x \delta(y) \Delta(z), x \Delta(y) \delta(z))$$
ここで $\Delta(w) = d \delta(w)/dw $ (デルタ関数の微分に意味があるかは知らないけど‥)
というわけで、やっはり 渦だけ成分が通常の(=渦なしの) $\bf {E}$ と異なってるようです。
なぜ物理(静電気学)ではこの違いを無視するのか不思議ですが、
wikipedia にありました。
静電近似 というらしいです。
2015-06-07 2回目
ちょっと書き直してみました。
一番の主張は、同じdivEをもつ場からEの分布を復元できるか?という質問に
いや、それは出来ない(数学)。
はい、それは出来ます(物理)。
と言う、ずれがあるよ。と言うことです。
http://hooktail.maxwell.jp/kagi/237af3796ea3e44befcc7efa3a27944e.html
少し言いたいことが分かってきました。もう少し整理?
数学
R3 内の少なくとも二回連続的微分可能な定常流束 v(r) が十分遠く (r → ∞) で消えているならば、v(r) は無回転成分 (irrotational part) E(r) と無発散成分 (source-free part) B(r) に分解される。
さらに、スカラーポテンシャル、ベクトルポテンシャルが存在して以下のように表せる。
${\mathbf {E}}=-\nabla \Phi ({\mathbf {r}}),\quad rot(\mathbf {E}) = 0$
${\mathbf {B}}=\nabla \times {\mathbf {A}}({\mathbf {r}}),\quad div(\mathbf {B})=0$
なお個人的には、上の E は渦なし成分、B は渦だけ成分、と覚えています。
物理
クロメル>
つまり,電荷からでる電場は等方的であると言う前提があって初めて電場は決定されるのです.
点電荷 からでる電場は等方的なのでは。でもこれは(当然の)結果であって、前提ではない?
クロメル>
同じ div を持つ関数でも,数学的には異なるベクトル場を表すことがある.一方,物理(電磁気学)的には異なるベクトル場は排除され,ただ一通りに決まる.
というより、物理では式(2) のように、静電場を考えるときには上の ${\mathbf {B}}$
(渦だけ成分)の違いは無視する、ということが前提なのでは。
(13:40 以下ちょっと修正)
なお式 (15)と(16) の E, φ は異なるものなので、記号を替えたほうがよいかと。
- (9)などの G も同様
- (17)の右辺も $f(x) \delta(y) \delta(z) / \varepsilon_0$ にしないと
ところで、式 (15)と(16) の E は明らかに異なるベクトル場ですが、
どちらも $rot(\mathbf E) = 0$ ですよね。
異なる E が同じ div E になるのは、
上の 「v(r) が十分遠く (r → ∞) で消えている」が成り立たないせいでしょうか?
2015-06-06 1回目
以下の査読レポートというか、感想・たわごとです。
divは完全情報か?(クロメル著)
最初に思ったこと
ナブラを使ったダイバージェンス(発散)は,内積みたいだけど,情報は失われるのか?と言うのが今回のテーマです.
という始まりだったので、可逆計算・不可逆計算の話かと思った。
- a + b を計算して、他の情報を忘れると a,b は再現できない(不可逆計算)
- でも、 a - b も同時に計算して覚えるなら再現できる(可逆計算)
- a が実数、b が純虚数なら a + b からa,b が再現できる(可逆計算)
でもなにか違うみたい?
定量的には、情報処理過程において1ビット(=1シャノン)の情報を失うとき、環境での熱力学的エントロピーの上昇も最低でも1ビットとなる。通常の物理的単位で表すならこれは k ln 2 であり、よって環境に放出される熱は最低でも k T ln 2 となる(ただし、 k はボルツマン定数、T は絶対温度)。この限界値は、ランダウアーの限界 (Landauer’s limit) もしくはフォン・ノイマン=ランダウアーの限界と呼ばれる。
次に思ったこと
微分でも当然情報は失われる
- $df/dx = dg/dx$ なら $d(f-g)/dx = 0$ 、よって $f(x) - g(x) = 定数$
- 定数分の情報がなくなる
$div$ でも同様
- $div E = div F$ なら $div (E - F) = 0$
- $E - F = \nabla \times {\mathbf {A}}$ (無発散成分) だけの違いが分からなくなる
- あってる? これって ゲージ変換 でしたっけ?
バグ?
ずばり式(2)です.ここで, $\phi$ をデルタ関数とした時を考えると,電場は等方的に広がります.
式(2)でなくて式(1)、$\phi$ でなくて、電荷分布 $\rho$ のほうでは?
以降、正直言って論旨が分からない…
式(9)
この式は y,z 方向には何も言及していません.簡単のため, y,z の電場成分をゼロとします.すると,これは一次元の問題となり,
でもこれでは $G({\bf r} -{\bf r}^\prime)$ は 式(9) の解にならないでしょ?
以下は右辺が $- \delta(x-x^\prime) / \varepsilon_0$ の場合を議論しているように思えます。
でもこれだと(6)式と右辺が異なるので、同じ $\rm{div}$ を持つ関数ではないと思いますが。。。